貴方を思い出すと私は哀しい

呉西しの さんが、綴ったり綴らなかったり。ノベルとか小説とか書いています。御用の方はonisisino@gmail.com まで。HP: http://onisisino.xyz

「灰色のマリエ」を読んで、純愛の素晴らしさを知る。 レビュー

購入した本のレビューです。

これは個人的な意見です。

 

 

 

 

 

 

 

 実は、本に関しては雑食な私。

 文章の好き嫌いはあるのですが、基本的に恋愛もSFもファンタジーもなんでも読みます。

 そして今回、ホワイトハート文庫新人賞を目指して小説を各予定で(あくまでも予定)恋愛小説を勉強しようと本屋へ走りました。

 フィーリングで手に取った作品は、レジーナ文庫さんの「灰色のマリエ」一巻です。

 レジーナ文庫さんは小説投稿サイトアルファポリスの運営になるようですね。そしてこの「灰色のマリエ」は第七回アルファポリス賞の入賞作品。

灰色のマリエ〈1〉 (レジーナ文庫)

灰色のマリエ〈1〉 (レジーナ文庫)

 

  面白かったのでアマゾンで続きをポチりました(`・ω・´)

 

灰色のマリエ〈2〉 (レジーナ文庫)

灰色のマリエ〈2〉 (レジーナ文庫)

 

 

あらすじ

辺境の町に住む、働き者のマリエ。ある日突然、幼い頃から憧れていた紳士に自分の孫息子と結婚してほしいと頼まれる。驚くマリエだったが、彼の願いならばとその話を受けることに。孫息子であるエヴァラードが住む王都に向かうと、紳士に瓜二つの彼から、こう言い放たれる。「この婚姻は祖父が身罷るまでだ」。そうして偽りの結婚生活が始まるが、エヴァラードは常にマリエに無関心。 しかも自分以外の女性の気配もあって……。 だが、マリエは妻としての役目を果たそうと家事に勤しむ。そんな風に過ごすうちに、エヴァラードの態度が次第に変わっていき――? 偽りの結婚から始まるラブストーリー。

 

読みどころ

 芯の通った女性マリエと自信過剰で多才なイケメンのエヴァラード。

 エヴァの祖父のために結婚した二人は、仮面夫婦となった。マリエを使用人のように扱うエヴァがマリエの作る美味しいご飯に魅せられ、どんどんマリエという女性に興味を抱いていく。

 

 心の移り変わりが丁寧に書かれ、偽物の結婚から始まる恋愛が心地よい。

 一巻で綺麗に締めくくられているものの、その後が気になり続編を求めてしまうほどよかったと思える。

 一巻は特に、緻密に書かれた心情、景色、独特な文法表現がうならせる。

 また、とくに一巻はかなり改稿されたのではないかと思われ、胸がときめいた。

 

残念に思ったところ

 まず、一巻の冒頭が魅力的ではなかったこと。

 

 マリエの見る世界は二つ。一つは多分自分以外の人たちが見ているものと同じ、天然色と人工石に彩られた普通の世界。そしてもう一つ――様々な濃さの灰色で彩られた、不思議で不安な無彩色の世界。

 二つの世界は、常にマリエの視界に同時に存在していた。

 

「灰色のマリエ」冒頭六行。

 

 素直に「どういうこと?」となってしまいました。ですが、中盤まで読み進めますと細かく癖のある文章が心地よくなります。

 

 また、本当に素晴らしい作品だったので二巻も購入したのですが、文法表現が一巻と二巻では異なっておりました。

 一巻での表現は独特でした。ひとつの手法として私自身取り入れたい表現方法に感じましたが、二巻ではよくある表現方法に変わっていたことでしょうか。

 それがすごく残念でした。

 

 

独特な文法表現

 自分が単に感じただけなのですが、少し紹介いたします。

 登場人物がA,Bといたとして会話の後、お互いの感情のシーンが入るとします。

 

よくある書き方は

A「」

B「」

A視点、言動、感情。

 

B視点、言動、感情。

といった感じが多いのではないかなと思います。

 

 

 文野先生の書き方で「マネできるならマネしたいな~」と思った表現が

A「」

A視点の言動、感情。

B「」

B視点の 言動、感情。

 といった感じの交互に言動や感情が入る文章がありました。

 一応、どちらも神視点ではなく三人称視点なんですよね。

 

 

 じゃあ、マネすればいいのでは?  と思うかもしれませんが、意外とこれが難しいと思います。

 単純に読んだとき、どっちのアクションかわからなくなるからなんです(´・_・`)

 神視点なら苦痛ではないのですが、三人称視点なので尚更です。

 また、作品が「ドラマ」で読み手が「カメラマン」だとしたら、どっち側にも短い時間で移動しなくてはならず疲れてしまいますよね。

 でも、文野先生の文章はとてもわかりやすく、緻密で息遣いすら聞こえてくるほどでした。

 何故、文野先生の文章はわかりやすく、混乱しないかを考えてみたのですが、やはりキャラクター作りがしっかりしていて、描写が細かく、読み手にこのキャラクターはこのような動作をすると理解させ、読ませているからではないかと推測します。

 

 

最後に

 一巻よりも二巻の方が冒頭はスマートで引き込まれやすいと感じましたが、二巻は文法表現の違いもありましたし、なんだか文章の荒さが目立ってしまった気がします。

 しかし、トータルで見てもとても完成度の高い、胸がきゅんきゅんする素晴らしい小説でした。

 文章を書く端くれとしましては、様々な部分を吸収したいと思う一品です。

 文法について熱く? 語ってしまいましたが私も若輩者。

 どうか大目に見てください。