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貴方を思い出すと私は哀しい

呉西しの さんが、綴ったり綴らなかったり。ノベルとか小説とか書いています。御用の方はonisisino@gmail.com まで。HP: http://onisisino.xyz

30綴り 花澤千夏は聡明で美しい・6

グロあり

自己責任でお読みください 

 

 

 

onisisino.hateblo.jp

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「お前は……お前は何なんだよ」

 

 絞り出すようにそう言った。

 今なら答えてくれるような気がしたからだ。

 

「そうね……」

 

 彼女は目を伏せて、ため息を口から漏らす。

 

「神様って言ったらどうするかしら?」

 

 また、それは突拍子もない。

 だが、茶化す気にもなれない。

 しばらく黙っていると彼女は続けて口を開いた。

 

「厳密には、私は神様じゃないのだけれど……。神様が、ね。私に試練をお与えになったのよ」

 

 突然のカルトチック。

 彼女はまだ言葉を続ける。

 

「人の不幸を見て、人になるか決めなさいって」

「人の、不幸?」

 

 俺が反応したことで、彼女は少しほほ笑んだ。気がした。

 

「そうよ。だから、神様は私に、あらかじめ物語りを教えてくださるの。この物語りの終焉もね」

 

 改めて言おう。

 彼女はサイコパスだと。

 俺は思わず生唾を飲み込んだ。

 

「だから、私はこの家の主人が彼らじゃないことを知っているの」

 

 そう言って彼女は天井を指差した。

 そうして口元だけ笑うと、地下室の奥へと歩みを進める。

 

「お、おい」

 

 俺の制止する声で彼女が止まるはずもなかった。

 後を追うしかない。

 

 地下室は貯蔵庫だった。

 独特のかび臭さと混じって、嫌なにおいがする。

 

 俺は、この臭いをよく知っている。

 そう、昨日もこの臭いを嗅いだのだから。

 これは、人が腐敗している臭いだ。

 

 職業柄鼻を覆わずにいられるが、彼女も臆することなく臭いをたどっていく。

 

 

「この家の主人が彼らであることを私はあらかじめ知っている」

 

 そういって彼女は水色の大きなごみ箱を倒した。

 臭いが更に増す。

 プラスチックの割れる音とともに灰色の肉が飛び散った。

 

「そして私はさらに知っているの。上にいる彼らが、精神病院から逃げ出してきた患者と言うことも。そして、貴方はあの二人を捕まえるの。それがこの物語りの終わり方」

 

 彼女が悲しそうに笑った。

 

「千夏……」

 

 俺の背後で扉が開く音がした。

 

 

「間抜けだねぇ」

「間抜けよねぇ」

 

 二人の濁った声がする。

 

「血痕を残していくだなんてねぇ」

「おかげですぐに見つけられたねぇ」

「私たちの大事なものも見つけられたけどねぇ」

「始末しなきゃねぇ」

 

 逆光で彼らの顔はよく見えない。

 だが、笑っているような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日で終わりです

また22時に